「この案件が白紙になったとして、行政の悩みは何ひとつ解決されていない」。
C社は一度片足突っ込んで携わったものを、最後までやり抜こうとしていました。
ちょうどその頃、別の案件でアプリ作成ツールの導入を検討していました。
わざわざ自分からアクセスしなければいけないポータルサイトではなく、一度スマホに落としてもらえれば情報が集まるアプリは地域活性化ツールとして、最適だと思いました。
市のポータルサイトも存在はしていましたが、営利目的のコンテンツが多く、掲載されている店舗にも偏りがありました。街のイベント情報など、市民が出かけたくなるような情報はありません。
そこで、地域の情報を発信するアプリの制作を市に提案しました。C社が作成するアプリは、ネット上やクーポンサイトにも掲載されていない隠れ家的なお店の情報やタイムリーな話題を発信していくことをコンセプトにしました。
営利目的ではなく、公共的な立場のアプリにしたかったので、市役所からリリースを打ってもらえるように協定を結び、アプリ制作をスタートさせました。
ユーザーにとってメリットがあるアプリは、必要な情報が載っている、情報量が多いことが重要だと考え、アプリリリース時は店舗から掲載費は一切取らず、先行投資で1000店舗近くの情報を掲載しました。
アプリは行政と一緒に運営しているため、営業の際に行政の名前を出すことで信頼性が上がり、受注につながりやすくなっています。
作成ソフトは操作が簡単だったため、アルバイトに情報収集と編集をほぼ任せ、約3ヶ月という短期間でアプリが完成しました。
C社は売上よりも、まずはユーザーに利用してもらうことが先だと考え、店舗がプッシュやスタンプを使うにあたって課金していくシステムとしました。
プッシュ通知とスタンプの権利はそれぞれ月数百円以下という破格の低料金に設定しました。
あまりにも料金を高く設定すると、結果的に活用してくれるのは広告費を持っている店舗だけになってしまうため、本来使ってほしい隠れ家的なお店の人たちが活用してくれなくなってしまい、アプリの成長につながらないと考えました。
今後はアプリ限定情報などを載せていき、今まで埋もれていた情報を発信できるサービスにすることを目標として、営業活動を続けています。
地域に特化したアプリのリリースは珍しさもあってか、新聞社各社から取材依頼がありました。
またアプリを周知し、ユーザーを増やすためにC社も各媒体に出稿をしました。
今後、収益化するために、プランの契約を増やすこと、アプリのトップページに広告枠を作ること、有料の特集ページを作ることなどを予定しています。
アクティブユーザーを増やし、そしてお店の人たちにも「発信していく」ことの重要性を理解してもらえるようにアプリを成長させ、地域の発展に貢献したいと、C社の社長は語ってくれました。
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