業種:印刷会社Y社
Y社は工業用のラベルやシールの印刷を中心に事業をおこなっており、業界ではトップクラスを誇っていました。
「工業用シールといえばY社」といわれるほどの知名度を持ち、多くのお客様からの依頼を受けて事業をおこなって来ていましたが、リーマンショック以降、Y社の業績は一変しました。
企業側でもコストの削減が騒がれてきていたこと、また海外でのアウトソーシングをおこなう企業も増加し、海外現地の工場で製品と合わせてラベルやシールも制作する会社が増えてきていました。
そのためY社への制作依頼は激減し、全盛期から比べると5割も売上が下がっていました。
このままでは会社が潰れてしまう危機に直面したY社は、工業用の印刷以外にも取引先や取り扱い品目を増やしていかなくてはなりませんでした。
Y社ではターゲットを広げるため、より多様な印刷をおこなうために、新しくデジタル印刷機を購入しました。
版を作らずに印刷ができるようになったことで、お客様へコストを下げて印刷物を販売することができる上に、今まで実現できなかった何十種類ものサンプルを作ることもできるようになりました。
また工業用シールの印刷から一般消費者向けのラベル印刷をおこなうようになってきて、社長が強く感じるようになっていたことは、「商品ラベル」という限られた枠の中で表せる情報の少なさと、「伝えなければならない情報」と「押し出したい情報」のバランスを取ることが難しいということでした。
とあるタイミングに、付き合いのあった食品メーカーから「多くの情報をラベルに載せたい」と要望をもらいましたが、文字の大きさやデザイン等も考慮して現状のラベルを制作しているため、なかなか難しい部分がありました。
しかし限られた紙面の中でもより多くの情報を載せて伝えるために、何か効果的な方法がないかと社長は頭を悩ませていました。