業種:出版社M社
プロデューサーは、どんな方法で実現できるだろうかと情報を集めた中で、AR(=拡張現実)の技術に着目しました。
さっそくARを取り扱う数社に問合せをし、その中の一社にスターティアラボ社の提供するAR作成ツール『
COCOAR(ココアル)』がありました。
プロデューサーの構想が実現できるかどうか話を聞いてみると、やり方次第では実現ができるとのことでした。
また、COCOARでのAR制作方法は非常に簡単な上に、自社に制作環境を持つことが出来るので、今回プロデューサーが活用しようとしているイベントだけでなく、次のイベントや別の企画にも応用してARを活用することができます。
プロデューサーは、もしかすると他の部署でもARを活用したいと考えている部署があるのではないかと感じ、社内に聞いてみると予想以上に多くの部署から賛成の声をいただき、導入を検討しました。
ARは、プロデューサーが当初に予定していた通りイベントで活用しました。
M社の販売する書籍シリーズの等身大のキャラクターパネルを作成し、ARアプリをパネルにかざすと、キャラクターの服装がパネルとは異なる夏バージョンに変化する、という仕掛けです。
来場は10・20代の男性が多く、ARを活用したパネルコーナーも多くの人で賑わい、イベントは大好評に終わりました。
設定したARのログを見てみると、イベント来場者のおよそ4割の人数に値する閲覧数があった、ということが判明し、この結果にはプロデューサーも驚きを隠せませんでした。
このパネル企画がSNSで拡散されたことによって、より多くの人にキャラクターを周知することができています。
また、出版した本の映画化を記念したスペシャル企画の一つとしても採用されました。
黒板アートで描かれた映画のキービジュアルにARアプリをかざすと、アートが完成されていく様子を動画で見ることができます。
もともとプロデューサーは、「黒板アート」を活用した企画をやりたいと考えていました。
しかし、多くの場合は完成した作品を掲示し、お客様に見てもらうだけで終わってしまいます。
プロデューサーの考えている黒板アートの本当の魅力は、「何も書かれていない黒板にどんどん絵が完成していく様子が見える、その変化に驚きと魅力がつまっている」と考えていました。
制作されていく様子をもっと手軽に、そして面白く見てもらうための方法として、ARが採用されました。
このAR企画に活用したシリーズが話題になっていたことや、黒板アートに協力いただいたアーティストの方が有名だったこともあり、想定していた閲覧回数をはるかに上回り、好評をいただくことができています。
プロデューサーは、ARの導入に関してこのように話しています。
「この仕事はなかなか『この宣伝のおかげで売れた』ということが言いにくい世界ですからね。それが数値で見えるようになったことはとてもありがたいです。
もちろん、この数値だけで売れたと言い切ることはできませんし、企画によっては閲覧数が悪い時もあります。しかし、それは次のAR企画を改善するための材料になります。」
また、今後については、
「ARを使ってまだまだおもしろいことが企画できそうです。GPSやスタンプラリーといった機能の拡張もおこなわれたので、これからどんなことができそうかアイディアを出すのにも、腕が鳴りますね。」と意気込んでもらっています。
ラボのソリューション