業種:映像制作J社
百貨店から相談を受けた社長は、どうすれば百貨店のクリスマスイベントを実現できるか情報を集めていました。
そのなかで、あるAR制作ツールを知りました。以前は、ARは制作費や時間がかかるイメージではあったものの、今回見つけたツールは自社に合うかもしれないと社長は判断し、試しに提供会社の話を聞くことになりました。
話を聞くと、提供会社のAR制作ツールは容量内でARが作り放題となっているため、百貨店だけでなく他の案件でも活用できると社長は感じ、このツールを導入することにしました。
社長は、今までと違う試みがしたいという百貨店のためにARを使うことにしました。
まず、百貨店の外壁にARを設定することを提案しました。外から、百貨店の壁をスマートフォンやタブレットで読み取ると、毎年百貨店が玄関口で見せているイルミネーションが、プロジェクションマッピングのように外壁一面に再現できるというものです。これならば、大掛かりな用意をしなくても外壁が活用できるだけでなく、お客様が自分の好きな時間に写真を撮り、イルミネーションを鑑賞することができます。
さらに、キッズフロアでクリスマス衣装の人気キャラクターたちと動くフォトフレームの写真が撮れるという企画も提案しました。
これらの提案に、百貨店は強く興味を持ってくれました。そこで社長はさらに、百貨店には集客以外にもチャリティ企画をおこないたいという要望があったため、イベント期間に合わせて販売されるオリジナルデザインのショッピングバッグにARを設定してはと話しました。バッグのイラストを、ARでアニメーションとして動かすというものです。そして、バッグのARアニメ再生回数に応じ、寄付額が増えるという企画を合わせて提案しました。
多彩な提案をしたことで、百貨店側は企画内容を非常に気に入ってくれて、J社に企画から制作までを任せてくれることになりました。
そして、クリスマスイベント本番を迎えます。さっそく店舗外壁のARがかなりの話題となり、かなりのお客様が百貨店をおとずれてくれるようになりました。百貨店に来店したお客様たちは思い思いにスマートフォンをかざし、ARイルミネーションを鑑賞してくれていたのです。
その様子を見た近隣地方の店舗担当者から、ぜひ自分たちが開催するイベントでも同じようにARを使いたいと相談されることにもなったそうです。
またARアニメーションが設定されたショッピングバッグも、かなりの数が手にとってもらえるようになっただけでなく、チャリティを全面に打ち出したことでアニメーションの再生回数は多くなり、百貨店が目標としていた募金額を寄付することもできました。
J社がARを手がけるようになってから、社長はある広告代理店から相談を受ける機会がありました。
内容は、洋菓子店の新しいギフト用スイーツのPRを任されたが、なにか面白い方法を思いつかないだろうかというものでした。
ギフト用スイーツは、ウェディングやクリスマス、母の日というような、イベントに合わせて利用されるものでした。ここで社長は、イベントの用途に合わせた音楽や映像を付与するのはどうか、そのために洋菓子自体をARマーカーとして設定してみてはとアドバイスしました。
すると広告代理店の担当者は、ぜひやってみたいと喜んでくれました。
広告代理店は、PRの内容をコンペ方式で募集しようとしていたのですが、社長の提案を聞きその場でJ社に依頼してくれることになったのです。
J社が提供したARつき洋菓子は、結婚式場から引き出物に使いたいという問合せが増えることになったそうです。主にギフトをあつかう企業たちからこの洋菓子が注目を浴びるようになり、広告代理店は満足してくれることになりました。
J社は、相手の要望に合わせた提案で、新しい依頼を勝ち取れるようにもなりました。
J社は、今後クライアント同士のつながりにも貢献できるような活動もできる企業になりたいと思うようになりました。例えば現在は、ライトアップイベントが成功した百貨店でARスタンプラリーを開催し、景品として洋菓子を用意するという企画を考えているそうです。
さらに社長は、ただ映像を作るだけでなく、「AR」で発信していくことの面白さを提案していける映像制作会社になっていきたいとも話していました。
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