恋愛シミュレーションゲームで人気の「ラブプラス」は、iPhone/iPod touch用アプリ「ラブプラスi」シリーズでARカメラ撮影機能を取り入れ、後続のシリーズでもAR機能を採用。
2010年には、「熱海ラブプラス現象(まつり)キャンペーン」というイベントが静岡県熱海市で開催されました。本イベントでは、旅行先の熱海で高嶺愛花や小早川凛子、姉ヶ崎寧々の「カノジョ」とAR記念撮影ができるということで、現地に集った大勢の「カレシ」を熱狂させました。
「ラブプラス」がARを活用した当初はまだまだARが一般的ではなかったものの、斬新なアイデアと企画が成功し話題を呼んだことから、以降、美少女コンテンツ市場ではARを使った展開がじわじわと始まるようになります。
「ラブプラス+」ゲーム詳細
「彼女」と共に過ごす気分が味わえる癒し系アプリ「ふたり暮らし」の無料体験版が、iOS向けに配信されています。本アプリはAR/VRどちらのモードにも対応しているため、ユーザーが自由なアプローチで美少女ヒロインとの同棲生活を楽しめることが特徴です。
アプリを立ち上げるだけで同棲生活はすぐに始められ、画面の中には現実を背景として本作のヒロイン「篠崎唯」が登場。人気声優の小松未可子氏がヒロインを演じており、無料体験版でありながらフルボイスでユーザーに語りかけてくれます。時間に応じた会話内容の変化やパジャマへの衣装の変更、さらには床に座り込むなどのアクションもあるため、臨場感が抜群。さらにアプリが入ったiPhoneと市販のヘッドマウントディスプレイを合わせて使うと、目の前に現れる等身大の唯と過ごせるVR体験も可能。AR/VRでさまざまな没入体験を与えてくれるアプリとなっています。
後日リリース予定の有料版では、ユーザーの声を反映したさらなる追加機能があるということで、今後も目が離せないアプリです。
ふたり暮らし 公式サイト
VR空間で美少女とともに過ごせるゲーム「VRカノジョ」のシリーズとして、ヒロインの「夕陽さくら」を現実に呼び出せるアプリ「ARカノジョ」のリリースが予告されています。
本アプリのテーマは「お気に入りの場所にカノジョを連れて行こう」。デモムービーでは、さくらと現実の公園で待ち合わせ、一緒に街へ繰り出しゲームセンターでデートをしている様子が紹介されています。VR空間ではともに家の中で過ごすことがメインだっただけに、外デートというこれまでにない体験ができるようです。
現実へと拡張した「ARカノジョ」では、さくらの魅力がどのように描かれるのか楽しみです。
ARカノジョ ハコスコストア
「ミク☆さんぽ」はユーザーと初音ミクが一緒に過ごし、コミュニケーションや写真撮影が楽しめることが特徴で、2017年からさまざまな体験型コラボレーションイベントが開催されてきました。
2017年7月にau SENDAI店で開催された『BLUE LEAF CAFÉ×ミク☆さんぽ』では、専用のスマートフォンをかざすと、制服姿の初音ミクと食事や会話を楽しめるなど本当にデートしているかのような気分が味わえる体験ができました。他にも初音ミクとの記念撮影会や限定コースター付きのコラボメニューが販売され、初音ミクの世界を存分に体験できる空間となっていました。初音ミクとのデートを体験したファンのSNSへの投稿数も多く、翌年の『SNOW MIKU 2018』ではMIRAI.ST cafe & kitchenとコラボし、カフェデート体験が実施されました。
また、今年2019年はさっぽろ雪まつりに「雪ミクAR雪像」が登場し、SNOW MIKU 2019テーマソングに合わせて歌って踊るARライブが開催されています。
また、ARのみならず初音ミクに関連したイベントも同時に実施されており、ファンにより多くの体験を提供することでエンゲージメント向上に成功しています。
BLUE LEAF CAFE × ミク☆さんぽ
SNOW MIKU 2019
KDDIは「ミク☆さんぽ」でのAR実証実験を活用し、バーチャルキャラクター「レナ」を起用した事業を展開しています。
長野県飯田市ではレナが市の非常勤特別職員として採用され、市が開催するイベントではタブレットを展示にかざすと、レナが内容を解説してくれます。その際、海外からの観光客向けに6カ国語の字幕にも対応しています。
また、東京都千代田区の大手町牧場ではレナとAIを組み合わせ、酪農も関するクイズの出題や、来場者からの質問に答える実証実験がおこなわれています。
KDDIは今後もレナを活用したサービスの企画や開発を推進していくとしており、インバウンド対策や人材不足といった地方の悩みを、バーチャルキャラクターが解決するという考え方が次第に広まっていくのかもしれません。
バーチャルキャラクター「レナ」が長野県飯田市の非常勤特別
AIを活用したバーチャルキャラクターによるガイド業務の実証実験を大手町牧場で開始
鉄道系美少女ゲーム「まいてつ」のコンシューマ版「まいてつ -pure station-」発売を記念して、ゲームのヒロインである「ハチロク」、さらに人気キャラクター「アルジェ」の撮影や鑑賞ができるiOS向けアプリ「まいてつカメラ」がリリースされました。
アプリには「撮影モード」と「鑑賞モード」があり、「鑑賞モード」では画面の中にヒロインだけを出現させ、とともにゆったりと時間を過ごすという使い方が楽しめます。一方「撮影モード」では、平面を認識させることで自分の好きな場所にヒロインを出現させることができます。ヒロインは指定のユーザーの呼びかけによって表情やポーズを変え、掛け声で撮影することも可能。
画面を方向転換すると足も合わせて動くことで実在感をより演出しており、「2.5次元の美少女ARキャラクターがすごい」とファンが歓喜し、メディアからも多く取り上げられました。
まいてつ pure station ARカメラ
「島村卯月」「渋谷凛」「本田未央」をはじめとした総勢180名以上ともなる美少女アイドルたちのライブステージが楽しめるリズムゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(以下デレステ)」に、2018年9月のアップデートで「ARスタジオ」機能が追加されました。
本機能を使うと「デレステ」のアイドルたちが現実に登場し、ゲーム内楽曲のダンスを踊ってくれます。ARスタジオ実装後には、アイドルたちの様子をSNSに投稿するファンが続出。ファンたちの投稿には次々に何千・何万もの「いいね」「リツイート」が付き、一躍Twitterのトレンドにもなりました。
アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ 公式サイト
フォトスタジオ/ARスタジオ 活用まとめ
2018年11月に東京都・中野で開催された「羊フェスタ2018」「スぺシャル体験会 in Red Bull Gaming Sphere Tokyo」。このイベントでは、2019年2月に発売予定のPS4/PS Vita用ゲーム「キャサリン・フルボディ」の先行体験ができ、会場内にはヒロイン「Cキャサリン」「Kキャサリン」「リン」との写真が取れるAR撮影スポットが用意されました。
専用ARアプリを使うとスマートフォン画面上にはヒロインが登場。キャラクターをタップすることで様々なポーズをとってくれるため、まさに自分だけの撮影会が実現できるイベントであると、各種メディアからも多く取り上げられました。
またTwitterハッシュタグで撮影した写真を投稿すると、公式が紹介してくれるというキャンペーンも合わせて展開されました。
ゲーム『キャサリン・フルボディ』のヒロインたちと、ARで撮影を楽しめるイベントが開催
3DCGで再現されたキャラクターのARフィギュアを鑑賞できるアプリ「HoloModels」がリリースされました。アプリ内にはデフォルトでバーチャルタレント「東雲めぐ」のARフィギュアセットが付属しています。
「HoloModels」では、アプリが床と壁を認識することでフィギュアラックが出現し、現実の空間にARフィギュアを取り出すことができます。アイテムのスプレーを利用すると、フィギュアの大きさや表情、ポーズ、持ち物を自由に変更できるため、ミニチュアサイズで楽しむことも、実寸サイズのジオラマを作ることも可能。
フィギュアを保管する場所がアプリ内に集約されただけでなく、フィギュアの細かい表情や大きさを変更できるようになったことで一層自由に撮影ができ、実物フィギュアファンも楽しめる本アプリ。今後は他作品とのコラボARフィギュアも随時展開される予定となっており、注目が集まります。
HoloModels™(ホロモデル)公式サイト
空間認識型のARでは、現実の世界に実在しているかのような「リアルさ」を追求したコンテンツが増えてきています。また音声認識技術の発展とともに、キャラクターが出現するだけでなくコミュニケーションが取れるARも登場し、キャラクターとファンとの距離が縮まってきています。
キャラクターと一対一でコミュニケーションができるというプレミアムな体験を提供することで、ファンの満足度が向上し、体験をSNSで発信・共有することでコンテンツの認知度も広がっていく可能性が高まります。今後はグッズの販売促進や、地域活性化の体験イベントなど、さまざまな分野で空間認識型ARが活用される需要が高まっていくでしょう。